教育、学び、そして学校 〜 126

公開: 2024年6月9日

更新: 2024年6月9日

注 126. 職業倫理を重視する米国の専門教育

近年、米国の大学における専門教育では、どんな分野でも、職業倫理に関する教育、特にケーススタディなどが必修科目として課せられています。また、専門分野における教育認証制度の監査では、職業倫理に関する教育と、学生に対する単位認定が義務化されています。

これは、各専門分野の専門性が高度になり、就業のためにはその高度な専門知識を学んでいることが要求されるようになっているからです。そのような高度な専門知識は、他分野の専門家や、一般の市民の知識では理解することが難しいため、専門家の非専門家に対する責任が重くなっています。その責任を果たすためには、専門家が説明責任を果たすことが必要条件になっています。

この科学技術の高度化と、非専門家の知識水準との差を、社会的な制度で吸収するため、専門家に対する倫理教育を義務化するようになりました。専門家が、悪意をもって仕事をすれば、数多くの非専門家が被害を被る可能性があるからです。例えば、高度な暗号知識を応用する暗号通貨を使う利用者にとっては、そのような数学的な理論は、理解することができません。結果的には、非専門家は、専門家を信じる以外にないのです。

参考になる資料